ナチュラルハイツ生活

健康のこと、食事のこと、美容のこと。“生活”や“暮らし”に関することを記録・発信します。

ひかりの歌を観てきた話。

ナチュラルハイツ生活8日目

ナチュラルハイツ生活、少しお休みしていましたが、その間に1年ぶりの映画を観てきました。
大阪のビルの中、小さな映画館のスクリーンの中の生活たちが、時折私の思考を捉えて離してくれないのでご紹介したいと思います。

愛おしいは、ひかりです。

大切な人と、ご飯を食べる時間。
いつもの誰かと話す他愛もないこと。
好きな人の匂い。
仕事、趣味、遊び、旅。

私たちが毎日、なんとなく過ごしている時間や生活が、この映画の中でもただ淡々と流れていきます。
それらが淡々としていて、それでいて特別なものなような感じがするのは、これが映画だからなのではなくて、登場人物一人一人がその時間を丁寧に大切にしているからなのだと思いながら、頭の中で自分の生活を再生していました。

ご飯を食べるシーンが何度か出てくるのですが、それを観ながら、初めて好きな人とご飯を食べた時のことを思い出していました。
半分こにしたハンバーガーの味や、落としたソースの色やジュースの温度を思い出していました。
大切な誰かとご飯を食べた後の、家で一人で食べたご飯が少し味がしなかったことも、ちゃんと私は覚えていたんだと、スクリーンの中の食卓をぼんやり見つめていました。

ひかりの歌を観に行かれる方、私はこの映画でゴーヤを克服できそうなくらい美味しそうなゴーヤチャンプルを見ました、そして食べたくなりました。
帰りにゴーヤチャンプルを食べられるお店を見つけておいてください。
生姜焼きも美味しそうでした。

繰り返される日常が少しずつ映し出された150分でした。
告白にまつわるシーンがいくつかあって、
告白をする、あるいはしてもらった時のあの独特の空気が、堪らなくなるほどずしっとそこに在って、あぁそうだった、こんな風だったと自分のその時と重ねたりなどしていました。
あの独特な時間は、きっとこの先何年生きてももう体験することはないのだろうなぁと思ったりしています。幸せです。

日常を覗き見させてもらっているような映画でしたが、印象的だったのは主人公の女性たちの絶妙な笑顔。
なんとも言えないその笑顔の奥に、言えなかったことや言わなかったことがあるようなシーンが散りばめられていて、胸の奥を掴まれるような感覚でした。

私は映画をよく観る方ではないし、詳しくもないのですが、時間がゆっくり流れていく映画が好きなのです。
このひかりの歌という映画は、ゆっくりでいて、それでいてちゃんと生活の時間がリアルに流れていました。
だから映画館を出てからも、家の扉を開けた後も、こうして記事を書いている間も、自分の生活の中であのスクリーンの中の生活を反芻してしまうのです。
いつもの音や仕草や味が違って感じられるのです。

杉田監督は撮影の時間をたっぷりとかけて制作をするそうで、その時間の使い方が映画の中にも表れているのかもなぁと思ったりしていました。 (何もわからないのに偉そうにすみません、ただ本当に私の好きなリズムで心地よかったのです)

私の好きなシーンは、長い時間会えなかった愛おしい人が帰ってくる章で、好きな人の匂いを嗅ぐシーン。
大切な人の匂いというものが記憶や安心感と直結していることを再確認する時間で、大切な人のあの独特な匂いが、あの会場にいた人たちの鼻をかすめた瞬間だったように思いました。

私の住む関西圏では4月にまた京都にやってきてくれるそうなので、今度は好きな人の手を引いて観に行けたらなと思っています。

ただ大切に日常を重ねていけたらと思います。

19歳でこの映画に出会えてよかった。
素敵な大人になりたいです、大切な人をちゃんと大切にできるような大人に。

本当にオススメの映画です。
4月に観に行く時が、生きている間のひかりの歌、最後の最後だと思ってあの生活を覗きに行きたいと思います。

追記。 時期は未定ですが、神戸の元町映画館にもこの映画が来てくださることを知り、とても嬉しく思っています。 これは、京都か神戸か、はたまたどちらもか、作戦会議です。

ひかりの歌 オフィシャルサイト

映画『ひかりの歌』オフィシャルサイト